2013/10/30(水) ~ 2013/11/03(日)

【会場】せんだい演劇工房10BOX box-1

出演〉

藤田翔、渡邉時生

〈脚本〉岸田國士 〈演出〉小濱昭博

 

鉄道線路の土手ーその下が、

材木の置き場らしい僅かの空き地、

黒く湿った土の、

ところどころに、踏み躙られた雑草。

遠くに、シグナルの赤い灯。

どこかに、月が出ているのだろう。

そんな月夜に、

眼鏡をかけた男と包帯をした男が出会う。

ふたりは自殺志願者である。

汽笛が鳴る。汽車の音が近づいてくる。

 

 

 この戯曲は一九二五(大正十四)年、今から88年前に発行されました。88年前の戯曲に挑むにあたり、88年後のことを考えます。88年後のこの土地では、多分今ここにいるあなたも私も、もういない。ただこの土地に演劇は残るだろう。この戯曲も残るだろう。そこにどんな爪あとを残せるか分からないのだけれど、残せるようにもがいてみようと思う。今、この土地に生きるものとして。

 

                              小濱昭博

《スタッフ》

舞台監督:神崎祐輝

舞台監督助手:髙野亮介

音響:櫻井楓

照明:神崎祐輝 早坂友紀

舞台美術:宮下直己

制作:三澤一弥

宣伝美術:川村智美

素材提供:Bico